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フルアテンション環境で成果を出すクリエイティブ設計

Adam Foroughi, CEO

当社のエンジニアリングチームが、Webブランド向けのパフォーマンスプロダクトを作り始めたとき、最初に立てた問いの一つはとてもシンプルでした。 「この環境において、効果的なクリエイティブとはどんなものか?」

私たちは10年以上にわたり、ゲーム広告主のためにプロダクトを作ってきました。ゲームスタジオは、当社の広告インベントリ(配信面)を直感的に理解しています。彼らは同じアプリの中で、同じオーディエンスに向けて、同じ注意の文脈(アテンション・コンテキスト)を前提としたフォーマットで制作しているからです。

一方、Webブランドはまったく別の世界から来ます。彼らのクリエイティブの直感は、ユーザーが高速でスクロールし、瞬時に注意を奪わなければならないソーシャルプラットフォーム上で形成されてきました。しかし、そのパラダイムはAxonにはそのまま移植できません。だからこそ当初から、モバイルアプリ環境のために特化し、Webブランドの「売り方」に合わせて最適化されたフォーマットが必要だと分かっていました。

本記事では、モバイルアプリ環境におけるWebブランドのクリエイティブが、ソーシャルのそれとどう異なるのか、そして広告主がその違いをどう活かしてAxonでより良い成果を出せるのかを解説します。

アテンション・コンテキストを理解する

Axonでは、広告は「高い注意が向けられる環境」で表示されます。

フルスクリーン動画は、ゲームプレイの中でおよそ2〜5分に1回の頻度で表示されます。エンタメ(ゲーム体験)に対して広告の出現頻度が低いぶん、広告が出たときにユーザーはより集中しやすくなります。

配信は主に2つの掲載面に、ほぼ半々で分かれます。

インタースティシャル: ゲームプレイの自然な区切りで表示。少なくとも5秒は視聴しないとスキップできない。

リワード: オプトイン型。ユーザーがゲーム内リワードと引き換えに視聴を選ぶ。動画が始まると最大60秒まで、最後まで再生される。

こうした構造的な違いによって、「効くクリエイティブの作り方」も根本から変わります。

フルファネルのチャネルには、フルファネルのクリエイティブが必要長い視聴時間と高い予測精度のモデルの組み合わせにより、ブランドは購入までの全ジャーニーにわたってユーザーにリーチできます。

多くのソーシャルプラットフォームでは、スキップ可能なフォーマットが主流のため、すでに一定温度感(購買意欲)があるユーザーが有利になりがちです。コールドオーディエンス(まだブランドを知らない層)は見慣れないブランドをスクロールで飛ばし、アルゴリズムもその行動を強化してしまいます。

TubeScienceの共同創業者兼社長 Philip Buerger氏は最近、次のように説明しています。

ペイドソーシャルでは広告はすべてスキップ可能なので、アルゴリズムは“すでに温まっていて、購買意欲のある消費者”を見つける必要があります。そうしないと、ただスクロールで飛ばされてしまうからです。つまり、いちばん”冷たい”層にリーチして、提案をする機会が得られません。AppLovinでは、このフォーマットを通してブランドにその機会を与えてくれます。単なるペイドソーシャルのボトムファネル・チャネルではないのです。

この違いは重要です。

Axonでは、ブランドは冷たいオーディエンスに自己紹介し、「なぜ自分たちが重要なのか」をしっかり伝えることができます。最も効果的にスケールする広告主は、ブランド・商品・価値を明確に伝える、より長尺のストーリーテリングに投資しています。

長い動画の方が成果が出る

ソーシャルによって広告主は「短尺が正義」という感覚に慣らされています。しかしAxonでは、その考え方がパフォーマンスの上限を作ってしまうことがよくあります。
インタースティシャルは比較的長い視聴時間が確保され、リワードは最大60秒までスキップ不可です。そのため短い広告は、得られるアテンションを活かしきれないケースが多いのです。
当社のデータでは、特にリワード広告面において、長い動画が短い動画を一貫して上回ることが示されています。

動画尺ごとの広告費シェア
WebキャンペーンにおけるAxonの集計データに基づく。広告費シェア上位1,000本の動画を対象。

「配信額」がパフォーマンスを予測する

ソーシャルからそのまま持ち込めないもう一つの要素が、クリエイティブ最適化です。

ソーシャルでは、各クリエイティブを個別に評価し、ROASの低いものは停止し、上位の勝ちクリエイティブに予算を集中させます。

しかしAxonでは、配信額(スペンド)が重要なシグナルです。

十分な配信額がついているにもかかわらず、ROASが低いクリエイティブを止めると、キャンペーン全体の成果が悪化することがよくあります。なぜならAxonはフルファネルのチャネルだからです。

平均的なユーザーはブランドから初回購入するまでに、18回のインプレッションの中で14種類の異なる広告を見ています。序盤のクリエイティブがユーザーを温め、後半のクリエイティブがコンバージョンさせます。ブランド紹介の役割を担う広告は、個別のROIが最も高く見えないこともありますが、それがなければコンバージョンを生む広告の効果も落ちます。

1本ずつ切り離して最適化すると、システム全体の連動を見誤ることがあります。

クリエイティブの多様性がスケールを生む

Axonでは、新しいクリエイティブをテストするコストが小さく済みます。

十分な配信を回してから最適化が効くプラットフォームと違い、Axonは実質的な配信が増える前にパフォーマンスを予測できます。これにより無駄な配信が減り、テストの実質コストは制作費に近づきます。

当社では、クリエイティブ本数と配信規模には強い相関があることを確認しています。コンセプトの幅が広いほど、ユーザーやタイミングに応じて異なるメッセージを最適に当てられます。

高アテンション環境では、同じ内容を繰り返すだけだとユーザーの飽きを招きます。層の厚いクリエイティブがあれば、頻度は「飽き」ではなく「関心の積み上げ」になります。

だからといって、無限に新コンセプトが必要ということではありません。手元の素材から始められます。短尺素材をつないで長尺にすることもできますし、ソーシャルで失敗したクリエイティブが、ここでも失敗するとは限りません。

オーディエンスもフォーマットも違います。多くのブランドで、Axonで最も成果が出るクリエイティブは、ソーシャルで最も成果が出たものと一致しません。ソーシャルで勝ったクリエイティブに反応する層は、すでに購入済みである可能性が高いからです。Axonでは、メッセージを変えて、増分の新規顧客を獲得するチャンスがあります。


テスト&ラーンで取り組む

広告主からは、よく「ベストプラクティス(正解の勝ちパターン)」を求められます。具体的なキャンペーン構造、正確なクリエイティブの方程式などです。

しかしAxonは、Webブランドにとってまだ新しい環境です。成功を保証する唯一のテンプレートはありません。

それは同時に、チャンスでもあります。

理解の早い広告主は、ターゲティングとクリエイティブ戦略を積極的にテストし、大きな成果を出しています。最も成功しているブランドは、Axonを「実験し、反復し、増分成長を発見する場」として扱っています。

私たちは、マーケターが自分たちの専門性を持ち込み、プラットフォーム上で工夫してくれるのを見るとワクワクします。以下は、うまくいった事例を共有しているブランドの例です。

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